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はんぺんブーム

初出
2000年10月21日

いま日本は、はんぺんブームである。

僕も、「乗り遅れてなるものか!」と、 このあいだの日曜日に買ってきたはんぺんを、今日食べた。

正直に言うと、まともにはんぺんを食べたのは、 生まれて初めてのことだと思う。はんぺんといえばおでんに入っているイメージが強いけど、うちの実家のおでんには入っていたことがなかったし、実家以外でおでんを食べたことは、あまりない(最近は自分で作って食べているけど)。

僕とはんぺんの出会いは小学 2,3 年生くらいのころだったと思う。たまたま買ったマンガ本「GooGooガンモ」の主人公、というか、ドラエもんで言う所ののび太役の少年が「はんぺいた」(漢字忘れた)で、仇名が「はんぺん」だった。それを読んで初めて、世の中に「はんぺん」 というモノが存在すること、そしてそれがどうやら食べ物らしいことを知った。

それから十数年、「はんぺん」という不思議な名前に興味を持ちながらも、ずっと食べる機会がないままに、今日まで生きてきてしまった。そのはんぺんを、日曜日にスーパーでみかけて、「ちょっと高いんだなぁ」と思いつつも、買ってきた。

はんぺんを食べるにあたって、最初は当然おでんに入れることを考えた。でも、最近のおでんラッシュその他の影響で取り止め。 はんぺんのパッケージには、「生で、バター焼きで…」と書いてある。ということで、とりあえず生食。端を少しだけ切って、食べてみたところ、なるほどブームになるだけのことはある、ボンヤリとヘルシーな味わい。

残りの大部分はバター焼きならぬマーガリン焼きで食べた。ちょっと焦げ目がキツくなってしまったけど、何度かひっくり返しながらマーガリンで焼いて、そのまま食べたら、ちょっとヘルシー感が減って、食べごたえ増。かなりよろしかった。

自分で食べ物を作ると、こういうイベントがあって良い。

僕の実家のおでんには、「ちくわぶ」も入っていなかった。ちくわぶがどのくらい一般的なのかはよくわかんないけど、やはり、その名前のせいで長年興味津々だったのにもかかわらず、ぜんぜん食べる機会がなかった。 だから、今回のはんぺん同様、前にスーパーで見かけた時に、とりあえず買ってきつつ、こちらはセオリー通りにおでんに投入した。

このちくわぶがまたおいしかった。 僕が大好きな秋田名物「きりたんぽ鍋」のきりたんぽを思い出させる味、 そして食感。 すっかりお気に入りになって、よく買ってきては、パクパク食べた。

ある日、調子に乗って、具がちくわぶしかないおでん(?)を作って、「やったー。ちくわぶ食べ放題」と喜びつつ食べはじめたんだけど、さすがにちくわぶのみというのは、途中でゲッソリきた。

僕のちくわぶブームは去り、もう、しばらくはちくわぶを食べなくても良くなった。

はんぺんに関してはそのような失敗を繰り返さぬよう、気をつけようと思う。

いま日本は、はんぺんブームである。

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